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運命とか未来とか、どうでもいい・・ そう思っていたあの頃にはもう、戻れない。 ほろ苦く・・だけど甘い。

騒がしいカラオケボックスを出ると、
外はもう真っ暗だった。

「この後、どーする?」

馴れ馴れしくあたしの肩に手を回す和くん・・。
クチャクチャとガムを噛みながら、顔を近づける。

ほんっ・・とに、嫌だ!

反射的に彼を押しのけると、数歩距離を開ける。
あたしの心は嫌悪感でいっぱいだ。

「ぶはっ、本当に固いね?」
「・・・・何が?」

うすら笑いを浮かべ、携帯電話を取り出した和くんは、
すばやくあたしの顔写真を撮った。

「!!!何、するの!?」
「ルリちゃんの怒った顔~~♪」
「ちょっと、消してよ!」
「何で~?いいじゃん、この顔をレアじゃない?」

何なのよ、こいつ!
何がレアだ!
イキナリ人の顔を写真に撮るなんて、信じられない!

携帯を奪い、消去しようとするけど、
あたしより背の高い彼に届くはずがない・・・
手を伸ばしてヤキモキするあたしに、和くんは色んな画像を見せてきた。

「笑った顔、寝てる顔~、ほら、この顔、チュウ待ちしてるみたいだよね?」
「なっ!ちょっと、それ・・・・どういうこと?」
「あれ?知らないの?奈々ちゃんが送ってくれたんだよ」
「・・・奈々が!?」
「そ♪ルリちゃんってさ、俺らの学校じゃ結構人気あるんだよ、
いつだったかなぁ~?たまたまルリちゃんと同じバスに乗ってた奴が初めに写真撮ってさ、それで広まったんだよ、可愛い子がいるってさ。そしたら偶然、智の彼女の友達だって言うじゃん?そりゃ紹介して貰うに決まってるっしょ!」

・・・・信じられない・・・。
自分の写真を撮られてたこと。
その写真が和くんの通う学校(F高)で広まったこと。
奈々が・・・あたしの写真を勝手に流していたこと・・・。

「あれ?どしたの?もしかしてショック!?」
「・・・当り前でしょ」
「おっかしいなぁ~奈々ちゃんには、ルリちゃんの了承取ってるって聞いたのに」
「了承なんかしてない。ねぇ、お願いだから消してよ」
「え~~やだよ、俺のコレクションだし。それとも何?著作権でも発生するの?」
「プライバシーの侵害にはなるわよ!」
「ふん、芸能人でもあるまいし。聞いた通りの“堅い女”だな」
「誰に聞いたの?」

誰か、なんて分かりきったこと。
それでも確認せずにはいられなかった・・・
だって、まさか、そんな。。。

「奈々ちゃんに決まってるでしょ、堅くて融通が利かなくて~ちょっとくらい男で痛い目にあった方が丸くなっていいと思うってさ、最低だね、アンタの友達」

パチン――――

右手に大きく走る衝撃。
腸が煮え繰り返る、ってのはこういう時に使うのね。
咄嗟的に彼の左頬を叩いていた。

「・・・っう、何しやがる!」

叩かれた痛みに顔を顰めた和くんは、みるみるうちに目元を釣り上げた。
殴り返される!!
そう思って身構える。
けれど覚悟した衝撃は襲ってこなかった。

なぜなら・・・

「そのへんにしとけよ?」

思いだす・・・
あの夜に匂った甘い香水の香り。
心地いい低い声。

あたしを見つめるクールな瞳。

ゆう。
また、あたしを助けに来てくれた・・・。




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2010.01.12 / Top↑
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